無限のファンタジアで生きるツバキ・ヒオリ(a78458)の呟きや日記色々
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朝靄がかかる檜の湯に浸かり、体を芯から温めた少女は
果物牛乳を片手にふにゃりと朝風を全身で感じる。
全身を濡らした黄色い鳥ものんびりと肩で毛繕いしている。
隣には、こそりと湯船へ誘い出してくれた姉、キキョウ。
実は朝風呂ってしてみたかったのよね、と微笑みながら手を繋いで歩く姉妹二人。
下駄をからころ響かせて、積もり積もった話を弾ませて。
「そういえば…椿姫。出て行く前と少し雰囲気…変わった気がしたのだけれど?」
と替えた話題に、言葉より先に顔の色が応える。脳裏に浮かぶのは
茜の瞳を宿す、黒く艶やかに流れる髪と兎尾を持つ鷹。
あらあらと微笑みをこぼせば、図星を突いた事を少し楽しんでいる様子。
だけども…と続くは、ツキ兄ぃ限定でバレると騒ぐだろうから先に黙らしておきなさいね、との
妙に説得力のある言葉。兄様と何があったかは、今度聞いてみよう…
「…領主一族の護衛の任につき、強い武士の道を歩む事が灯織一族の栄誉…。
貴女はそれを成しそうとハラハラしたけど………良かった。」
包み込むように微笑み、門前に到着する前に朝陽を迎える。
姉は唐突に、先に着いた方の朝食準備を負けたほうがするのよ、と宣言すると
母屋へ続く道を駆け出した。負けません…!と続いて追う、揺れる三つ編み。
静かにはさせない、賑やかな朝のひと時。
むすっとした表情で朝食のお膳を二つ持つのは、狐麺を額に掲げた少女。
「桔梗姉様…途中で下駄を脱ぐなんてズルイです……」
「ズルくなんてないわよ、だって椿姫ったら…」
脱ぎ捨てられた下駄を律儀に拾いながら来るんですもの、と
それを聞いた家族全員が声を殺して肩を震わせていたのは言うまでも無い
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