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無限のファンタジアで生きるツバキ・ヒオリ(a78458)の呟きや日記色々
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夕陽が一筋の針のように、鋭い光が視界に差し込む。

人力車に揺られながら手で遮ろうと、矢先、見慣れた門前が目の前に広がる。

到着する前に降り立ち、賃金を渡しお礼を伝える。

きゅっと、手を握りこむ力がこもり、足がなかなか進まない。緊張、しているのかな…。

立ち止まった場所で狼狽している少女は、ひたすらに行ったり来たりを繰り返す。

ふとその時、門前で打ち水をしていた女性に、鈴が鳴るような綺麗な声で呼ばれる。

  

「椿姫…ちゃん?」

  

驚嘆して恐る恐る振り返り、声が裏返る。

  

「義姉、様?」

  

見覚えのある女性…一番上の兄、ツキに嫁いできた女性だ。

しばしの再会を喜んだ後、ツキくん呼んでくる!と思い出すかのように小走りに去っていく。

勢いのある会話をまくし立てて早々と去る姿を見つめ、呆然と置きざりにされた彼女は

夫婦は似るものなのか…とくすっと笑った。

  

…さてと、と息をつき。

帰ってきたはいいがどう言って入ろうかと考え、壁にもたれ唸りだした。

(たぶん普通でいい、と思う…。…でも普通ってなんでしょうか…?)

瞬間、ばたーんと激しく扉を殴り開け、息を切らせて門前に現れたのは、

赤黒い髪を乱した着流しの男性。

少女の姿を確認するや否や走りだし、叫び声をあげて両手を広げこちらに突進してくる!

  

「椿姫ぃーーーーーっ!!!!!!」

  

避ける事も逃げることも(←)もままならず抱きつかれ、

おんおんと再会に嬉し泣きをする兄の姿に、じわりと視界に水分が溜まる。

声を出そうにも、自分に聞こえてくるのは掠れた空気。

気付かれないように拭うと、ほころんだ笑顔で、でもきっと確かな一言を。

……ただいま……、と。

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