無限のファンタジアで生きるツバキ・ヒオリ(a78458)の呟きや日記色々
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纏めた荷物は簡素だった。
大きな風呂敷に小さく、くるりと翻すと背中へとあてがう。
「よし、準備完了です…!セスも準備いいですか?」
もちろん、と言葉が返ってくるように彼女は少女の右肩に乗り、一声囁く。
向かうのは故郷の楓華列島、エミシ州アオバの国。
そこまで向かうにはかなりの旅路になる。
しかし荷物は少ない。なぜなら…
『実家へ帰る』
ただ、これだけなのだ。許しを請うのでは無い。
人と出会い、触れ、言葉を交わし…冒険者となってから、幾重の生と死を見てきた。
成長なのか?と自問すれば違うのかもしれない。
大切な絆を持つ人が生きていて欲しいと強く願い、愛しい人の傍に居る幸せが
これほど心を震わせた思いならば、
自信を持って、お面が無くてもボクは生きていけると伝えたいのだ。
そんな思いを他所に、いつの間にか足はドラゴンズゲートの精霊の社へと進み
蒼の迷ひ路へと辿りつく。
水に纏われるような感覚に懐かしさを憶えつつ、足が少しづつ足早になるのが分かる。
あと少し。
ボクは置いてきた自分を取り戻しに行こう。
眩しい光を見上げて、地上へ向かう。
まずはマウサツの国へ地を踏んだ。
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